先日ご紹介した詩集「SANAT」の中で、「ALKUSOITTO」(前奏曲)として、一番最初に登場するのはこの曲です。 オリジナルバージョンは、1980年リリースのオムニバスアルバム「3 vuotta myöhemmin」に収録されており、Hassisen Koneの1stアルバム「Täältä tullaan Venäjä」のリマスター再発CDのボーナストラックとしても聴くことができます。 また、1982年のシングル「Hiljaa virtaa veri」のB面として、別アレンジの再録バージョン「Muoviruusuja omenapuissa III」がリリースされており、こちらは2000年リリースのベスト盤「Tarjolla tänään: Hassisen kone」で聴くことができます。 まさにHassisen Kone時代のIsmoらしさを象徴するような名曲です。 オリジナルバージョン 再録バージョン Muoviruusuja omenapuissa りんごの木にプラスチックのバラ
空っぽの人間の殻が そこに 微笑みながら まどろむ コマーシャルの沼地の中に 気持ちいい コマーシャルの庭にいるのは すてきだ 愛へ憎しみで応えるのは もし誰かが 目から目へ 俺を見はじめるなら 俺は 梁(注1)から梁へ 見ていい 盲目の西洋の道を 飾り立てたいばらの冠(注2)だ お前たちは りんごの木に プラスチックのバラ 子供の口に プラスチックの文 細胞に 見知らぬ遺伝子 神の庭の小作人に 偏頭痛 カレリアの勇敢な英雄たちは死んだ(注3) 美しい乙女たちの耳から刻んだ 邪悪な指導者たちは 灰皿を あるものからは 飾り立てた取っ手さえ作られた(注4) 大きな深い森に もやが舞う そこからにじみ出るのは 樹脂ではなく 西洋のざわめき 年老いた真紅の花のオラ(注5)を見ろ 彼の突き刺された目から流れるのは コカコーラ お前たちが買う りんごの木に プラスチックのバラ 子供の口に プラスチックの文 細胞に 見知らぬ遺伝子 神の庭の小作人に 偏頭痛 ああ 深い森の子たちよ、俺はこれをただ繰り返す なぜなら お前たちの堕落を さんざん厄介に味わってるから 通りには 人間の殻だけが横たわる カレリアの若い英雄たちを見ろ アメリカは天国なのか、神はそこにいるのか? 自分の人格は 成功の道にあるのか? 田舎は涙の中へ沈んだ なぜなら 神は都会へ引っ越したから 用心しろ りんごの木に プラスチックのバラ 子供の口に プラスチックの文 細胞に 見知らぬ遺伝子 神の庭の小作人に 偏頭痛 注1;聖書の中の「なぜあなたは、兄弟の目の中のちりに目をつけるが、自分の目の中の梁には気がつかないのですか。」という一節による。 注2;キリストは十字架にかかったとき、いばらの冠をかぶせられていた。 注3;フィンランドの民族叙事詩「カレワラ」に登場する英雄たちをさす。 注4;フィンランド神話における、持つ者に幸福をもたらす「サンポ」の伝説との対比。「カレワラ」の中では、「サンポ」は何もない所から小麦粉と塩と金を作り出す魔法の道具とされている。 注5;Johannes Linnankoskiによるフィンランド版ドン・ファンとも呼ばれる1905年の小説「Laulu tulipunaisesta kukasta」(=真紅の花の歌)の主人公Olaviをさす。農家の息子Olaviは、父と対立して家を出て、奔放な恋愛に浸る放浪生活を送る。(やがて1人の女性と出会い、最終的にはまともな社会の一員となる。)
2 Comments
EIKO
14/7/2017 17:27:25
これが1曲目ってすごいわ(笑)
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Ismo Alanko来日公演実行委員会
18/7/2017 19:39:34
いつもコメントありがとうございます。お返事が遅れてしまって、すみません。
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